19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:33:16.19 ID:xBharFQc0
===
丸はとても居心地の良い物だが、得てしてそういう場所には何かしらの裏があるものだ。
千早の居座るその場所も、つまりはそういう場所の一つであった。
20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:34:16.14 ID:xBharFQc0
「そろそろ、帰ろうか」
「……やだ」
21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:36:15.94 ID:xBharFQc0
幼い千早は丸に抱かれ、涙目で僕に訴えかける。つまるところ、丸は卵なのだ。
卵の中は居心地が良い。それはある意味、母性の塊。
22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:38:27.14 ID:xBharFQc0
ふんふんふふん、ふんふふん。
夜風によって音程の飛ばされた僕の鼻歌が、夜の空気に吸い込まれ。
23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:40:29.78 ID:xBharFQc0
突然、すぅっと通るような音がした。
音は次第に歌になり、夜風に乗った歌声は、どこまでも空を飛んでいくようだった。
たっぷりと一曲分、歌った彼女が僕を睨む。
24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:41:36.33 ID:xBharFQc0
「お帰り」
「はぁ……短い、夢でした」
25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:42:11.88 ID:xBharFQc0
いつものように、彼女が素っ気無く言い放つ。
その胸は小さく萎み、どうやら悪い呪いは解けたようだった。
26: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:43:01.23 ID:xBharFQc0
「もう一曲、歌わせてください」
歌の中のカナリアは、結局歌を思い出したのだろうか。
27: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 22:43:33.99 ID:xBharFQc0
===
以上。お読みいただき、ありがとうございました。
28: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/03/28(月) 22:45:02.38 ID:xBharFQc0
こちらちなみに、前作となります。よろしければ、ご一緒にどうぞ。
P「ここの事務所は二人きり」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459012629/
29:名無しNIPPER[sage]
2016/03/28(月) 23:06:58.91 ID:U9rf8byZ0
なんだかわかんないでーす
36Res/9.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。