6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/28(月) 20:22:24.92 ID:xBharFQc0
===
「なんだか、人生の半分を損していたような気がします」
いつもの長髪を二つに結わえて、着物姿の彼女が笑う。
屋台に吊り下げられた提灯や、街灯の安っぽい明かりを受けて、深蒼色の着物が妖しくその色を変えていく。
角のとれた微笑で綿飴を口の端につける彼女を見れば、その言葉にも妙な説得力を感じるのだから面白い。
それはまな板と揶揄されて、小さな胸を締め付けるように伏せていた頃からは、考えられないほどの丸さだった。
川のほとり、花火を待つ人の群れにまぎれて、千早が言う。
36Res/9.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。