過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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18:名無しNIPPER[saga]
2016/03/28(月) 23:18:05.30 ID:mPSzAJE90
 慶は目の前にいる少女を、まるで蛇のように錯覚した。アダムとイヴに、失楽園を齎す蛇の誘惑。
 しかし、慶はその誘惑に乗ることにした。志希の言うとおり、このまま財閥の次男として燻っているのも癪である。ここはひとつ、蛇の甘言に従い、荒淫と頽廃で身を崩すのも良いのではないか。
 慶は黙ったまま、志希に右手を差し出した。志希は脂下がった顔で、両手で慶の右手を包み込み、ブンブンと上下に振る。

「けーやくせーりつー♪ どんどんぱふぱふー♪ これであたしとキミは一蓮托生……ま、一つよろしく!」

 志希は、先ほどとは打って変わって莞爾と笑い、両手に力を籠める。この瞬間、慶は自分の親族に対し、面従腹背の態度を取ることを決めた。悪魔に魂を売った気がしないでもないが、その感傷はすぐに打ち消した。
 世に従へば、身苦し。従はねば、狂ぜるに似たり。昔の人は良いことを言う。それならば、存分に狂ってやろうではないか。



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