過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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51:名無しNIPPER[saga]
2016/03/30(水) 21:22:47.69 ID:h8nHpmiS0




「かんぱーい」


 都内某所のレストランに、慶と加蓮の唱和が響く。
 初めてのライブの後、加蓮から頑張ったご褒美が欲しいとねだられたので、慶はこのレストランに食事に誘ったのだった。

 乾杯の後、二人は同時にグラスに口をつけた。加蓮が飲んでいるのは、ノンアルコールカクテルの「シンデレラ」。オレンジ、パイナップル、レモンをシェイクして作られるこのカクテルは、前途洋々な加蓮にとって、名前からしてふさわしい。
 一方、慶のグラスには「ロマネ・コンティ」が注がれている。高級ワインとしてはベタだが、デュマが「脱帽して跪いて飲むべし」と評した逸品である。

 最初のオードブルの皿が下げられると、次に運ばれてきたのは伊勢海老のクリームスープだった。
 慶はスプーンを取り、姿勢をまっすぐに伸ばし、胸元とテーブルの間に拳大の間隔をあけて、音を立てずにスープを飲んだ。
 加蓮も慶の真似をしようとしたが、あまりうまくできていない。
 次の料理は、鯛のコニャックの蒸し煮。その次は、和牛ステーキのフォアグラ添え。慶は洗練された手つきで、加蓮は覚束ない手つきで、二人の食事は進んでいった



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