過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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60:名無しNIPPER[saga]
2016/04/01(金) 22:26:08.54 ID:4bekVCDt0
 今のところは順調に運んでいると、慶は思った。この小会議室は、今日はもう誰も使用しないと既に調べてある。

 慶は奈緒を椅子に座らせ、向かい合うように自分も座った。奈緒から無理に言葉を引き出す必要はない。
 暫くの沈黙の後、奈緒は訥々と話し始めた。どうして自分は、こんなにも努力しているのに、なかなか飛躍できないのか。清川のプロデュースが間違っているとは思わないが、それでも違和感を覚えること。いまの自分は、何が間違っていて、どう直せばいいのか。
 やはり、慶の予想通りだった。いまの奈緒は、自分の立場に不満を持っている。それに、美城常務の方針転換に焦燥している。しかし、自分が活躍できないのは、清川にも責任の一端があるとは考えず、全て自分のせいにしているのは、彼女の性格ゆえだろう。
 
 次第に、奈緒の言葉に苦衷が滲んでくるのが、手に取るようにわかった。このあたりだろう、と慶は内心身構える。神谷奈緒の心の隙間に付け入り、無門の一関を破る好機は、そろそろだ。
 慶は自然な動作で、腕時計で時間を確認した。清川から聞き出したスケジュールによれば、そろそろ彼が奈緒を迎えにくるはずだ。
 
「……なあ奈緒、俺はお前が、このまま終わるようなアイドルじゃないと思ってる」

「え?」



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