過去ログ - Ｐ「海辺にて、響き」 -SS速報VIP

過去ログ - Ｐ「海辺にて、響き」

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11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 21:39:55.82 ID:FPlxy7Lh0
　
「どれくらい待つの？」

「それが分からんのよ。早い時はすぐらしいが、遅いとそれなりに待たされるらしい」

12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 21:40:41.32 ID:FPlxy7Lh0

　響の質問に答えながら、僕は穴掘りに使ったスコップの柄に、くるくると白いハンカチを巻きつけて。
　
　ざくり、とスコップを穴の外に突き立てると、柄に巻かれたハンカチは波風に吹かれ、ぱたぱたと元気にはためいて見せた。

13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 21:41:59.69 ID:FPlxy7Lh0
>>12　訂正

×響の質問に答えながら、僕は穴掘りに使ったスコップの柄に、くるくると白いハンカチを巻きつけて。
○響の質問に答えながら、僕は穴掘りに使ったスコップの柄に、きゅっと白いハンカチを結びつけて。

14:名無しNIPPER[sage]
2016/03/29(火) 21:47:58.95 ID:pRmtDHeM0
モバ付けろカス

15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:20:00.26 ID:FPlxy7Lh0
===

　穴の中はひんやりと案外涼しくて、照りつける日差しの強さも少しは和らぐ。

　ぽりぽりとクッキーを頬張っては、時折、ひょいと双眼鏡を覗き込み、僕らはソレが始まるのを待った。

以下略

16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:21:30.39 ID:FPlxy7Lh0
　
　最初に動き出したのは、雲だった。
　
　僕らを見下ろしていた入道雲の端っこが、風によって千切られると、
　その千切れた雲の切れ端がふよふよと砂浜まで降りてきて、ゆっくりとその形を変化させていく。

以下略

17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:22:09.68 ID:FPlxy7Lh0
　
「ライオンやトラはまだ分かりやすいけど、あの犬みたいなのは何だ？　オオカミ？」

「あれはコヨーテ。オオカミはその隣のおっきい、もふもふしてる方だぞ」

以下略

18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:23:04.20 ID:FPlxy7Lh0

　双眼鏡を覗きながらそんな事を言っていると、動物たちに混じって妙な奴がいるのに気がついた。
　
　案山子。
　

以下略

19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:25:04.65 ID:FPlxy7Lh0
　
「アレ……なに？」

「何って……案山子だろう。多分」

以下略

20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:25:36.46 ID:FPlxy7Lh0

　動物は雲から、案山子は砂浜から生まれ、それらが皆、海へと向かって歩いていく。
　
　動物たちは群れを成し、やがて海の上で一列となり道を作った。
　

以下略

21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/29(火) 22:26:36.57 ID:FPlxy7Lh0
　
「なんだか、パレードみたい」

　響が、ぽつりと呟く。
　

以下略

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