15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/30(水) 17:57:26.61 ID:RLeRTW2q0
環の涎をティッシュで拭いてあげながら忙しく言い放った私の質問には答えずに、
貴音はケーキと一緒に用意しておいた紅茶を一口飲むと、私達に向かってにっこりと微笑んだ。
見惚れる笑顔とは、こういう顔の事を言うのだろう。
こんなにも優雅な仕草で紅茶を飲み、そこに座っているだけで絵になる人物が、
先ほどまで自分も涎を口の端に光らせながら私にご飯をたかっていたなんて……
知り合った当初から思っていたが、私は彼女の本質を、
一生理解する事はできないのかも知れないな。なんてその姿を見てふと考える。
それほどまでにミステリアスな彼女との関係が、どうしてこうも長く続いているのか。
それはきっと、彼女の間合い……人との距離の取り方が上手だからに他ならない。うん、きっとそうだ。
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