過去ログ - 【MGSV：TPP】 Last Episode：骸骨家族の歌/未来の伝説 -SS速報VIP

過去ログ - 【MGSV：TPP】 Last Episode：骸骨家族の歌/未来の伝説

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1: ◆rPRvOrA8j6[saga]
2016/03/31(木) 21:48:06.76 ID:S81zBOIKo

　ﾌｧﾝｯ！

※注意！

このSSは、METAL GEAR SOLID　V　THE　PHANTOMPAIN　及び、初代METAL GEARのその後を妄想したSSです

両作品およびシリーズのネタバレを多分に含みますので、未プレイの方はご注意ください

また、このSSには『ヴェノム・スネーク』について、作者独自のイメージや考え、設定などが付加されています

彼のキャラクターに確固としたイメージをお持ちの方は、不快な気分になる可能性がございますので、あらかじめご了承ください

なお、このSSはいわゆる小説形式であり、セリフの前にキャラ名表示はございません（地の文はあります）

今日よりできれば毎晩、８～９回の投下を行う予定です

ご意見、ご感想は投下の間に、遠慮無くレスしていってください　喜びます

※注意！

それでは、SS本編をお楽しみください

――――――――――

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:49:26.59 ID:S81zBOIKo

［回想］未来の伝説

3:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:51:17.68 ID:S81zBOIKo

額を拭った左の袖は、鮮やかな赤に染まっている。
彼はそれを見た途端、なぜだか急に力が抜けたようになって、その場にへたりこんでしまった。

慌てて周囲に気を配るが、追手の足音は聞こえてこない。

4:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:52:29.56 ID:S81zBOIKo

ヒビの入った鏡面に顔を映し、額の傷を確認する。
なんということはない、小さな切り傷だ。　細菌や寄生虫さえ入り込まなければ、治療も必要ない。

それでも、彼は自分の傷を、小さな肉の裂け目を、しばらく眺め続けた。

5:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:53:57.30 ID:S81zBOIKo

「そんなことは……」

6:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:54:57.86 ID:S81zBOIKo

「……ああ、やってやるさ……あの骸骨野郎め」

7:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:57:27.98 ID:S81zBOIKo

8:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 21:58:49.66 ID:S81zBOIKo

１　「鏡」
――――――――――

9:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:00:27.01 ID:S81zBOIKo

そして、今。

10:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:01:52.53 ID:S81zBOIKo

「ふん……一年も経っちゃいない。　だいたい半年ってところだ」

11:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:03:12.59 ID:S81zBOIKo

「……そうか……」

12:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:04:56.17 ID:S81zBOIKo

そう聞かれた時、ミラーは息を飲んで、しばらく押し黙っていた。
ベッドに横たわる男は答えを急かそうとはせず、残酷な沈黙は容赦なく二人を包み込む。

数分後、静寂に耐え切れなくなったかのように、ミラーが口を開いた。

13:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:07:09.20 ID:S81zBOIKo

静かな部屋に、奥歯が砕けんばかりの歯軋りが響き渡る。

「……すまん……すまん、ボス。　みんな……炎の中を走ってきたんだ」

14:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:09:06.52 ID:S81zBOIKo

「……あの若造……ソリッド・スネークに、殺されかけたんだ」

「それは覚えてる。　ロケットランチャーを数発、まともにもらった……あそこまでやるとはな」

15:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:10:37.64 ID:S81zBOIKo

それでも彼が光を取り戻し、特殊部隊の教官へ就任できたのは、その眼球の代わりをとある虫が務めているからだ。
コードトーカーと名乗る老人が生み出し、この世に遺した寄生虫。
そのうちの一種が、ミラーの眼にも宿っていた。

16:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:13:26.83 ID:S81zBOIKo

「あんたの場合……爆発の衝撃と炎で、全身の骨を酷く損傷していた。　脊椎もだ」

「…………」

17:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:14:44.83 ID:S81zBOIKo

「それを俺に？」

「……ああ、それでなんとか、命を繋ぎ止めることができた」

18:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:17:50.08 ID:S81zBOIKo

男が昏睡状態に陥る前、彼の左肘から先には機械の義手が嵌められていた。

しかし今、そこにあるのは”虫の義手”だった。
むき出しの骨と血肉だけで組み上げられた腕。　寄生虫がつくりあげた構造物。

19:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:19:35.52 ID:S81zBOIKo

「……カズ」

「……なんだ」

20:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:20:46.36 ID:S81zBOIKo

「治療なら終わった。　このままでいい」

「…………」

21:名無しNIPPER[saga]
2016/03/31(木) 22:23:15.28 ID:S81zBOIKo

そこには、髑髏があった。

爆発の衝撃で吹き飛んだのか、もはや皮膚と呼べるようなものはあまりない。

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