過去ログ - 【ガルパンSS】 「そんなものはない」
1- 20
5: ◆663LzicDVs[saga]
2016/04/01(金) 04:49:40.89 ID:SGHEm4Bk0
 そこで、金曜日。

 練習の後、私は決行しました。

 これはちょっとしたイタズラなんだからって言い聞かせても、もう練習の途中からものすごく胸がドキドキしてしまって、集中できなくって……もうとにかく早く何とかしなくちゃいけないと、解散になった途端に西住殿に声をかけたんです。

「西住殿っ! あの、ちょっと、お話が!」

「うん。何かな? 優花里さん」

 西住殿は振り返って、にこっと微笑んでくれました。

 ああ、もう、それだけで。その可愛らしい仕草を見て、柔らかい声を聞いただけで……

 さっきまでの胸の鼓動が、ドキドキ、だとしたら、その瞬間にはドキドキドキドキドキドキーン! ぐらいの機関銃掃射みたいな勢いになってしまって……

 このままでは死んでしまうんじゃないか。そんな不安に駆られた私は、必死で用意していたはずの言葉を口に出しました。

「お、お慕い申し上げておりますっ! 好きです! わ、私の、彼女さんになってほしいでありますっ!」

 言い過ぎです、私。

 もうちょっと軽く、好きです西住殿ぉ〜、ぐらいにしておくつもりだったのに。

 あまりに緊張しすぎて、何だか重い感じになってしまいました。

 マズイことは、それ以外にもあってですね……

「「……」」

 それまで騒がしかったはずの格納庫が一気にシーンとなって、戦車道クラス、みんなの視線が一斉に私たち二人に痛いほどに突き刺さってきていたんです。

 私、そんなに大きな声出しちゃってましたか……?

 いけません、このままでは西住殿に迷惑がかかってしまうでしょうか。

 で、でも大丈夫です。ちゃんとウソだってことをバラせばみんな、なーんだって笑ってくれるでしょう。

 そのためには、リアクションを待たないとなりません。

 みんなが驚いたりざわめいたり、とかしたところでネタバラシにしないといけません。じゃないとせっかくのネタがすべってしまいますからね。

 ところが……いつになっても、そのリアクションが返って来なかったんです。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
23Res/19.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice