過去ログ - 先輩「図書委員の女の子っていいよなー」後輩「なに言ってんですか?」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/04/01(金) 21:37:19.21 ID:lYTww3tx0
図書委員「ふふっ……あなたに怒られるのは初めてかもしれないわね。いつもあなたが怒られてばかりだったから」
男「今、それを言うか……」
図書委員「……『夜明けの空に』全部読んだんでしょう?」
男「ああ。すごく……」
図書委員「待って」
男「え?」
図書委員「聞きたくないの。お願いだから言わないで」
男「どうしてだよ? お前が言ったんだぞ? 感想ってのは人それぞれだって! なのにどうして……」
図書委員「疑ってしまうからよ」
男「疑う?」
図書委員「あなたの口からそれを聞いたらどんな言葉でも私はあなたを疑ってしまう。溢れんばかりの賞賛も、アドバイスも、非難の声も……全て、全てを疑ってしまう!」
図書委員「それはあなたの本当の言葉なのか。私を気遣ったための優しい嘘なのかを考えてしまうの。非難の声でさえ私に発破をかけるための激励なんじゃないかって!」
図書委員「だってあなたは優しいから……どうしようもなく優しいから……だから!」
図書委員「私はあなたを疑いたくない! だってあなたは私にとって……」
男「なんだよそれ……」
図書委員「もう、そっちの世界に行くのはやめたの。私はもうこの世界があればいいの。そうやって生きていくの。だから私のことはもう放っておいて!」
男「放っておけるかよ……」スタスタスタ
図書委員「やめて! 近づかないで! お願いだから私の世界を壊さないで!」
男「綺麗だった!」
図書委員「!!!」
男「お前の描いた世界がすごい綺麗だと思った! 俺、この間まで本なんて読んだことなかったからよく分かんなかったけどさ。でも、お前の本を読んですごい綺麗だと思ったんだよ!」
図書委員「そんなはずない……あれは駄作だって……」
男「スゲェなって心の底から思った。嘘じゃなく本気でそう思ったんだ」
図書委員「いや……いや……!!」
男「この気持ちが嘘だっていうのか? お前はこんなに凄いのに……凄いって思っているこの気持ちすらお前は疑うのか?」
図書委員「お願い……そんなこと言われたら私は……!!」
ダキッ
図書委員「!!!」
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