過去ログ - 西住みほ「堕ちていくほど、美しい」
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5:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:13:58.10 ID:sOyMUoJv0
さて私が行ったからにはその者たちは助かったのかと問われれば、残念ながら、と言うほかありません。

III号に乗っていた後輩はみな死にました。


6:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:14:46.48 ID:sOyMUoJv0
「西住先輩、西住先輩、助けてください」



7:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:15:31.04 ID:sOyMUoJv0
そう言って沈んでいった、後輩の顔を忘れたことはありません。

伸ばした手をつかんだのに。

当然私自身も無事とはいかず、しばらくの入院を余儀なくされました。
以下略



8:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:16:21.27 ID:sOyMUoJv0
逸見さんは怒っていました。


9:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:17:19.45 ID:sOyMUoJv0
というより、後輩を喪った気持ちと、敗けた口惜しさと、私への怒りが綯い交ぜになってやりきれなかったのだと思います。


10:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:18:05.59 ID:sOyMUoJv0
逸見さんはあの時、フラッグ車の砲手でしたから、落ちてゆくIII号がよく見えたのです。

後輩たちがどんな思いで落ちていったかも、きっとわかったはずです。


11:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:18:27.98 ID:sOyMUoJv0
病室を去る前、逸見さんは、お前が殺したんだ、と言いました。

それについては、私は何とも申し上げることはできません。



12:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:19:07.17 ID:sOyMUoJv0
私は病床で、病でもないのに臥せったまま、無為に退院までの日を過ごしました。

尋ねる人は不在でした。

ぼんやりと天井を眺めるまま、私も死んでいれば、と思いました。
以下略



13:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:22:08.27 ID:sOyMUoJv0
やがて退院の日が来ました。

迎える人も、不在でした。

もしかしたら、姉が迎えにきてはくれないかと期待もしたのですが、戦車で来られでもしたら卒倒していたでしょう。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2016/04/01(金) 22:22:58.22 ID:cM/RpA5uo
期待


15:津島[saga]
2016/04/01(金) 22:23:31.98 ID:sOyMUoJv0


家で私を待っていたのは、恥辱であり、面罵であり、地獄でした。



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