過去ログ - 西住みほ「堕ちていくほど、美しい」
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532:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:25:08.78 ID:DmRot5ES0
市街地の直前に掛かっている橋を渡る際、最大限に時間を稼ぐため、橋を落とすよう自動車部の方々(レオポンチームと呼んでいました)へと指示をしたさい、鈍重な車体をとことん利用したウィリー走行のような挙動と、そのスポーツカー染みた加速には驚かされました。

ほかにもポルシェティーガーのエンジンを走行しながら修復していたりと、レオポンチームの皆さんは私が思う以上に逸材揃いだったようです。



533:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:25:47.51 ID:DmRot5ES0
そして苦難のすえ、ようやく市街地に到達することができました。


534:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:26:26.74 ID:DmRot5ES0
数で劣るこちらが打つもう一手は、市街地での遭遇戦です。

砲塔が長く、鈍重な重戦車中心の編成である黒森峰には、これ以上ない有効な一手であり、現状私達が取りうるほぼ唯一の正攻法です。

廃墟の陰から顔を出したV号を追いかけ、私達は団地群へと入って行きました。
以下略



535:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:26:52.65 ID:DmRot5ES0

次の瞬間、驚愕とも畏怖ともつかぬ感情が私達を支配しました。



536:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:27:45.03 ID:DmRot5ES0
壁のように、山のように眼前に聳え立つそれは、ドイツ重戦車の終幕を飾ったマウスでした。

重戦車偏重主義もここに極まれりか、と思わず舌打ちが出るほどでした。

ネズミの名に不釣り合いな巨体から放たれた砲撃の至近弾だけで、ヘッツァーが吹き飛ばされかけましたから、その火力は絶大です。


537:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:28:14.36 ID:DmRot5ES0

直後に反撃を試みたルノーB1bisが撃破され、マウスの進撃が始まったのです。



538:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:28:58.52 ID:DmRot5ES0
そして反撃を試みたルノーB1bisが撃破され、マウスの進撃が始まったのです。

後退するこちらの反撃も意に介さぬかの如くV突が破られ、私はどうしようもない焦りと、危機感に襲われました。

しかし、迫る敵の本隊が合流する前に、沙織さんの素朴な感想で、この巨大なマウスを撃破するための策を思いつくことができたのは僥倖でした(市街戦でカタをつけるにはマウスはどうしようもない障壁でしかないからです)。
以下略



539:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:29:25.85 ID:DmRot5ES0

後戻りはできないという逆境が、大洗をこれほどまでに強くしてきたのです。



540:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:29:56.59 ID:DmRot5ES0
マウスの陰に控えていた、視界の狭いマウスの目代わりであろうV号を撃破したところで、マウス撃破のための作戦を始めました。


541:津島[saga]
2016/05/26(木) 23:31:42.11 ID:DmRot5ES0
装填の遅いマウスの一撃を先ずかわし、ヘッツァーを激突させてマウスの下へと潜り込ませ、船を座礁させる要領で動きを封じました。

それからM3リーとポルシェティーガーによる挑発で砲塔を向けさせ、最後の仕上げに八九式をマウスの上へ登らせたのです。

亀チーム(生徒会の皆さんをそう呼んでいました)の皆さんと、兎チームの皆さんと、レオポンチーム皆さんの度胸、そして八九式の家鴨チームの皆さんの練度(それも、マウスの車体程度の狭い範囲を動きまわれるほどの)なくしては、この策は成功し得なかったでしょう。


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