過去ログ - 西住みほ「堕ちていくほど、美しい」
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603:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:10:04.48 ID:psIF1EIN0
「この手記を、あなたは読みましたか」
「はい。これは、まず西住殿が私に、このノートと写真と、小さなぬいぐるみの小包を送ってきたものです。黒森峰との、最後の試合があった数日後です。差出人は、西住殿本人に決まっているのですが、名前も住所もありませんでした。西住殿がいなくなってから、全部読んでみて、…」
604:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:10:32.10 ID:psIF1EIN0
それから、彼女は、静かに嗚咽を漏らした。
605:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:10:58.76 ID:psIF1EIN0
「結局、私たちが何をしても、大洗がどうなろうと、西住殿は、消えてしまうつもりだったのかな、と悲しくなりました。どうして、…私たち、まるで、捨てられたみたいに、…もう、生きているかどうかも…」
606:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:11:25.18 ID:psIF1EIN0
私が悪かったのです、と、我知らず声が出た。
彼女は、泣きはらした顔を上げた。
607:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:12:36.26 ID:psIF1EIN0
「じぶんで、したことは、そのように、はっきり言わなければ、かくめいも何も、おこなわれません。じぶんで、そうしても、他のおこないをしたく思って、にんげんは、こうしなければならぬ、などとおっしゃっているうちは、にんげんの底からの革命が、いつまでも、できないのです」
608:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:13:13.26 ID:psIF1EIN0
私は魂を射抜かれたように、心を抉られたように、うなだれた。
彼女は最後に、貴女は、貴女の闘いをたたかい続けてください、と言った。
そしてこう付け加えた。
609:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:14:08.19 ID:psIF1EIN0
「私たちの知っている西住殿は、とても素直で、よく気が利いて、…天使みたいないい人でした」
610:津島[saga]
2016/05/27(金) 00:14:56.51 ID:psIF1EIN0
終わりです。
まとめてくださる場合はこのレスを除き、>>609で終わるようにお願いします。
611:名無しNIPPER[sage]
2016/05/27(金) 00:15:58.20 ID:1mMF6h1ko
乙
612:名無しNIPPER[sage]
2016/05/27(金) 00:16:25.88 ID:hnED0/4fO
乙
おもしろかった
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