過去ログ - 【ガルパン】西住しほ「おかえりなさい」
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:44:33.49 ID:iF80Ipuz0
モニターに移る完成間近の包囲に観客達は高校連合の負けを感じているようだ。斯く言う私も包囲網が完成してしまえばほぼ壊滅だろうと読んでいた。この局面をどう切り抜けるのか。少なくとも数両は犠牲にしなければならないだろう。仲間を盾として包囲網を抜ける作戦をしほは考えたが、それでも大きな損害がでる。しほが自分が隊長ならどうするか真剣に考え、モニターを注視する。
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:46:13.43 ID:iF80Ipuz0
すると気になるものを見つけた。モニターのマップに1両だけ、離れた位置で単独行動している車両がいるのである。観覧車へ向かうその車両は何故か
観覧車に砲門を向けている。一体なんのつもりかと訝しんでいると、その車両M3が観覧車を撃ち落とした。
観覧車の主軸を打ち抜くことで、車輪のような観覧車の鉄骨がその形のまま支柱から落ちたのだ。丘に設置されていた為、観覧車は勢いをつけて転げていく。さながらパンジャンドラムだ。
そのまま包囲網に突っ込む形で観覧車は下って行き、大学選抜の包囲網を見事崩してみせた。それに乗じて高校連合は一車両もかけることなく無事に脱出に成功する。
以下略
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:47:53.26 ID:iF80Ipuz0
=現在車両数 大学選抜18対22高校連合=
窮地から脱したみほ達はすぐに次の行動に移った。複数の小隊に分かれると各々に任せた遭遇戦を行うようだ。
まず始めに場内のセットに合わせたカモフラージュによって3突を隠し、待ち伏せによって敵車両2両。セットの建物を吹き飛ばし、3式とPティーガーが連携する。
以下略
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:48:41.43 ID:iF80Ipuz0
どの小隊にも必ず『大洗』として鍛えられた戦車が含まれ、彼女達が他の高校同士の車両を上手くつなぎ合わせているように見える。みほの『大洗』とは人と人を繋ぐ流派なのかもしれない。今まであまり直接的な言葉で考えなかったが、認めざるを得ない。新しく道を拓きそれを、伝えて浸透させているのだ。みほの『大洗』は新しい一つの流派なのだと。
感慨深い気持ちになりながらもモニターから視線を外すことはない。モニターには現在の車両数が表示される。
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:49:30.28 ID:iF80Ipuz0
=現在車両数 大学選抜9対22高校連合=
高校連合の邪道とも言える奇策の数々に大学選抜は混乱していた。同時にそれらを実行したことで、大学選抜の無線はさぞ錯乱していることだろう。そこを上手く突いたことによる連続撃破だった。
先程まで高校連合の負けを匂わせる発言をしていた観客も今度は大学選抜が負けそうだと、手の平を返すような発言をしている。それほどまでに高校連合の連撃の反撃は鮮やかだったのだ。
以下略
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:51:03.37 ID:iF80Ipuz0
しかし高校連合優位なその空気はすぐに消え失せるのである。大学選抜隊長車島田愛里寿が動いたのだ。
愛里寿の乗るセンチュリオンが動き出すと、動揺し混乱していた大学選抜の戦車達が落ち着きを取り戻した。冷静さを取り戻した彼女らは速やかに3突を撃破すると隊長車と合流を図るようだ。
それは隊長車の護衛などではない。むしろその圧倒的戦力に追随することで、敵の殲滅を確実なものにするためだ。センチュリオンは場内に入るとたった1両で複数の高校連合車を相手取り、その全てを撃破してみせた。中隊長達と思われるマーク持ちのパーシング3両も、3両が合流した途端に動きが変わった。その動きはまるで3両で一つの生き物であるかのように瀟洒で可憐、華のあるまるで演舞のような動きであった。
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◆5yXN2jIX2Y
[sage saga]
2016/04/09(土) 22:53:09.78 ID:iF80Ipuz0
各個が強者でこそ最強であるとする、単車での華美で鮮やか且つ圧倒的な技量を重要視するのが『島田流』である。マーク持ちのあの3両はおそらく『島田』の門下なのであろう。その技量と独特の華やかな動きですぐにわかる。
3両も出会う的全てを葬り、隊長車へと合流を急ぐ。しかししほはその3両を見て感心もしたが同時にまだまだだと思った。3両の強さは『島田流』の動きに3両の高レベルの連携を加えることで、成り立っている。だが『島田流』とは個の力に重きを置くのだ。3両の連携による瀟洒な立ち回りではなく、1両での圧倒的なまでの技量による華美で豪快な戦闘をしてこそなのだ。それが私に辛酸を舐めさせた島田千代の『島田流』なのだ。誰よりも彼女の戦い方を見てきたしほは高い練度の3両の乗組員に賞賛と同時に、未熟さをみたのだった。
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◆5yXN2jIX2Y
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2016/04/09(土) 22:54:39.88 ID:iF80Ipuz0
連続して落とされていた高校連合だったが、PティーガーとT34/85とティーガー2の連携よって大学選抜の中隊長3両の内1両を落とすことに成功した。
この際のPティーガーのエンジン規定をくぐり抜けるように、モーターの方を限界まで弄るという発想も大概有り得ないものだったが、しほは慣れてきたのか驚かなくなっていた。それどころかモーターを弄り速力の向上ということに少しだけ興味を持ってしまったのは秘密である。
短時間で展開は反転を繰り返し、怒涛の応酬戦は最終局面へと突入した。
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◆5yXN2jIX2Y
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2016/04/09(土) 22:55:25.76 ID:iF80Ipuz0
=現在車両数 大学選抜3対2高校連合=
あれだけいた戦車だったが、この場に残ったのはこの5両のみとなった。高校連合各車の尽力により、T28をはじめとする大学選抜のこの場にいない戦車達は全て撃破されていた。大学選抜側は隊長車のその圧倒的な実力によって視界に映る全ての高校連合車両をなぎ払った。残ったのは『島田流』と『西住流』の2大流派の指導を受けた者達であった。
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◆5yXN2jIX2Y
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2016/04/09(土) 22:56:58.92 ID:iF80Ipuz0
5両すべてがアトラクションの並ぶ広場に入るとすぐに戦闘は始まった。最初に脱落したのは『島田』のパーシングだった。まほがトンネルに飛び込むのと合わせるように、みほの乗るW号が富士を模した高台を駆ける。囮となったまほを追走する形でトンネルに入ったパーシングを出口で急停車することによって動きを奪わった。センチュリオンと接触するも上手く砲撃を回避したW号は、まほによって止められたパーシングをトンネル上部から車体を乗り出す形で真上から砲撃する。排気口を抜かれ白旗をあげるパーシング。これで2対2である。
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◆5yXN2jIX2Y
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2016/04/09(土) 22:57:42.45 ID:iF80Ipuz0
この状況で横転の危険が有ることを平然とやってのけるW号の乗組員達は流石だ。砲撃による衝撃で上手く体制を立て直せたものの、失敗すればあの場で走行不能だ。みほが乗組員を高く評価し信頼しているのが伺えた。
サラッと行われた今の連携だったが、パーシングを止めるタイミングとW号が上方にくるタイミングは完璧に合わせられていたから出来たものである。息の有った姉妹二人だからこそ出来るものであった。
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