過去ログ - 【ガルパン】西住しほ「おかえりなさい」
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61: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 14:52:10.15 ID:RVCvaGcC0

 車両を持ち上げ動きを封じマウスに戦車を乗せ砲塔を固定する、そして排気口を上方から発破しこれを打倒したのだ。この試合だけで何度も驚かされてきたが、マウスが倒されたことには言葉も出なかった。対して観客は盛大に湧き上がる。それだけ圧倒的な存在だと周知されている車両なのだ。

しほ「(咄嗟の判断でこんな奇策を思いつくなんて...)」

以下略



62: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 14:54:41.14 ID:RVCvaGcC0

 だが大洗の快進撃はまだまだ止まらない。ようやくやってきた黒森峰本隊を相手に緻密な連携でフラッグ車の進路を憚り、はたまた黒森峰の車両を本隊より引き剥がす。
 更に恐ろしいことにあのM3が地形を利用しエレファントを仕留めると、立て続けにヤークトティーガーを道連れにしたのだ。川で救援に泣いていた選手達とは思えない活躍ぶりである。
 3両を相手取る八九式は凄まじい操縦技術でその砲撃をかわし、自軍のフラッグ車から引き離す。いつの間にか大洗の4号の後に付いているのは、黒森峰のフラッグ車となっていた。
 そんなみほとまほの二両が学校のような建物に入ると同時に、待機してたPティーガーがその入口を塞ぐように立ちはだかる。後続の黒森峰車両は阻まれ、両軍のフラッグ車による単騎戦となっていた。
以下略



63: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 14:56:39.22 ID:RVCvaGcC0

 観客「これで互角の条件になった!運が味方したな大洗は!勝てるかもしれんぞ」

 観客の一部が興奮気味に声を上げている。しかしその意見は正しくない。運などではないのだ。この状況は単騎決戦を目的とした大洗チームによる完全な誘導によるものだ。各戦車すべてが高い技術を持っている上に、驚くべきはその連携能力だ。すべての行動が同時に進んでいたことから、予めこうなるように作戦は立てられていたのだろう。
しかし状況とは変わるものであり、それに応じて実行するのは難しい、隊長からの指示だけではそれはなりたたない。各車両がみほの考えを汲み取り、受けた指示以上のものを自分の頭で考えて動いているのだ。でなければここまで細かい誘導などできるはずがない。


64: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 14:58:02.22 ID:RVCvaGcC0

 みほの仲間を尊ぶその在り方によって生まれたこの大洗というチームは、練度に加えて連携によって何倍もの真価をはっきする。恐ろしいチームだ。
あの子が行ったのは既存の『道』でなく、新たな『道』を開拓しそれを伝え導いたのだ。

しほ「...この試合が始まってから驚かされるばかり、あの子の才覚はとんでもないものかもしれない」
以下略



65: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 14:59:54.33 ID:RVCvaGcC0

 モニターではみほとまほが対峙し、限られたエリアでお互いの先を読み戦っている。どちらも私の娘なのに知らぬ間に立派に成長していた。
私がここまで食い入るように試合を見るのは、いつ以来だろうか。楽しくてしょうがないのだ。同時に嬉しくて仕方がない。
 この時しほの中に合った感情は、好敵手を見つけた一人の戦車乗りとして、指導してきた弟子二人の成長をみる家元として、大きく成長した二人の母として、
今まで両立できてこなかった3人の『西住しほ』が初めて全員共感した感情だった。しかし本人はそれに気がつかない。今頭にあるのはみほとまほの勇姿だけである。
以下略



66: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 15:00:43.18 ID:RVCvaGcC0

――――――――――――――
【離れた丘】

 会場から遠く離れた位置でしほはモニターを見ていた。そこに映るのは優勝旗を握り仲間に囲まれ笑顔を零すみほと大洗選手達である。
以下略



67: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 15:02:58.22 ID:RVCvaGcC0

 私は『西住流』を歩む。みほは彼女が作った道を行く。そうやって自分の道を見つけ、その在り方を軸に己を磨いていく。
それは一生付き合っていくものであり、そうした己の心の主軸こそが、それぞれの戦車道なんだろう。西住の家元として戦車道に深く関わっていた私だったが、そんな私もまだ道の途中なのだ。
 であれば私と比べて、みほは歩き出したばかりなのだ。あの子の道を早急に決めさせようとしていたのは間違いだった。
 昨年の試合での彼女行動を、私情を挟んだ愚策と見ていた『西住』としての私もあの時の考えを改めていた。
以下略



68: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 15:04:09.27 ID:RVCvaGcC0

 昨年の試合も含め現在のみほの在り方を受け入れた私は、以前した決意を思い出す。

しほ「あの子が戻ったらすぐにでも謝りましょう。そして今度は時間をかけてあの子の気持ちを最後まで聞きます」

以下略



69: ◆5yXN2jIX2Y[sage saga]
2016/04/03(日) 15:05:21.54 ID:RVCvaGcC0

この後大学選抜編を続けるんですが、用事を済ませてくるので少し間が空きます。


70:名無しNIPPER[sage]
2016/04/03(日) 15:42:25.64 ID:PuRKY4E60
楽しみに待ってる


71:名無しNIPPER
2016/04/03(日) 15:50:54.03 ID:OePaPVWq0
いい!


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