12:名無しNIPPER
2016/04/03(日) 20:15:35.64 ID:DHCL1te50
「……うん。えへへ、ありがとう。でもね、いつもの私だって、本当に紛れもなく私なんだ。無理してるわけじゃないよ。強い私も、弱い私も、どっちも私だから」
「……そっか。でも、辛い時は私のところにきていいよ。それで思う存分泣けばいい」
「うん……ごめんね、結衣。迷惑かけちゃって」
「別にいいって。迷惑なんて今更だろ。私はお前に迷惑かけられるのが好きなんだよ」
これから私に遠慮されたりしたら堪ったもんじゃないから、もうこの際言ってしまおう。羞恥心なんて、今は吹き飛んでしまっている。
「そっか。……えへへ、私も結衣に甘えるの好きなんだよねー」
泣きはらした顔で、それでもにっこりと笑って、京子はまた抱きついてきた。ふわっと漂ってくる同じシャンプーの香りに、私の方まで頬が綻ぶ。
「ふふ。まったく、手がかかるなぁ、京子は」
まったく、京子は。
本当に、たまらない。
なるほど。
弱い京子だって、強い京子だって、私の大切な幼馴染であり愛おしい存在であることには変わりない。
私がそばにいればそれでいいじゃないか。
私たちは、暫しそうやって互いの体温を確かめ合い、見つめ合った。
そして。
「結衣、大好き!」
「……私もだよ」
ちゅっ
どちらからともなく、優しく口づけを交わしたのだった。
17Res/10.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。