過去ログ - 上条「ただいま」レッサー「おかえり」
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7:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:48:15.73 ID:oiAg//Kd0
上条はバッグから携帯電話を取り出して機内モードを解除した。すぐに電波が入り、留守中の新着Eメールが何通か届く。

Eメールは迎えに来る予定のレッサーからだった。もちろん中学生である彼女が一人でやって来る訳ではないのだが、こういうのはたいてい彼女がやりたがる分野だった。

内容はどうでもいい前置きが多く目を通すのに難儀したが、終わりの方に追伸という形で『32番ゲートの前に黒いワゴンを停めてあります。一応、駐車場の番号は14番ですと書き添えておきますね。タクシー乗り場に隣接しているのですぐわかるはずです。』という記述があるのを見つけた。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:49:13.15 ID:oiAg//Kd0




ブルーとグレイとオレンジが入り混じったような、宵闇を待つばかりの空の下に、黒いステーションワゴンが停車していた。腎臓をモチーフにしたフロントグリルが特徴のドイツ製右ハンドル車だ。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:49:58.29 ID:oiAg//Kd0
「お、ようやく返信が来ましたよ。どうやら特に遅延等もなく到着したみたいですね。えーと、あと5分10分でここに来るそうです」

レッサーが画面から目を離すと、運転席でハンドルに寄りかかりながらゲートを見張っていたフロリスが顔を上げ、背もたれにより掛かる。それから気怠げな視線をレッサーによこした後、

「あーそう。んじゃあついでにベイロープ達に知らせておけよ。あと1時間もしたら着くってさ」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:51:11.50 ID:oiAg//Kd0
メールアプリを閉じると、レッサーもフロリスに倣ってシートに頭を埋める。

ルームランプは灯していなかったが、空港からの明かりで車内はだいぶ明るかった。

「ねぇフロリス」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:52:03.09 ID:oiAg//Kd0
それから数十秒の沈黙があった。

次を切り出したのはフロリスだ。

「しっかし、もう2年も経つのかー」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:52:52.43 ID:oiAg//Kd0
けれど、それも今日までだ。上条はちゃんと帰ってきてくれた。そのことがとても嬉しかった。自分たちを別つ線はもうどこにも存在しない。

皆敢えてそれに触れるようなことはなかったけれど、きっと同じ思いを持っているに違いないとレッサーは思った。

自然と口元が緩んでいたところに、「あっ」というフロリスの声が割り込んできた。いまのレッサーにはそれ以上の説明は不要だった。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:53:42.16 ID:oiAg//Kd0





以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/03(日) 19:55:21.41 ID:oiAg//Kd0
このお話はこれでお終いです。
次回はまた別の短編を投下します。


15:名無しNIPPER[sage]
2016/04/03(日) 22:09:44.87 ID:UiGen8lD0
レッサーかわいい


16:名無しNIPPER[sagesaga]
2016/04/04(月) 01:01:39.60 ID:dhR8sguuO
昔俺妹のss書いてた?
似たようなスレタイのやつに心当たりあるんだけど


17:名無しNIPPER
2016/04/07(木) 19:59:03.38 ID:Jq+aob7P0
はよ


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