過去ログ - 雷「もっと私に頼っていいのよ?」提督「ロリ母性にダメにされるぅぅ!」
↓
1-
覧
板
20
30
:
◆7SHIicilOU
[saga]
2016/04/06(水) 01:06:00.44 ID:7jcpw3Gmo
―――俺には、姉が居た。
そう、”居た”んだ。
現代に置ける軍隊は大戦期のそれと大きく様相を異にしている。
敵は未知の生命体。兵士は艦娘。
規模は当時より大きくなったが、所謂軍人と呼ばれる人間の数は極端に減った。
人間は戦えないからだ、一番数の居る兵士は艦娘にしか務まらない。
人間が必要とされるのは俺のような管理職。
故に質を何よりも重んじられた。家柄と、成績と男である事。
そんな折に軍人家系に生まれた長女だ、俺が生まれる前の事は定かではないが、
日々やりたくもない様々な修練に時間を費やす俺に比べて
姉はいつも一人でつまらなそうにしていた。
ただ、姉は聡明だった。
それが差別でなく区別であることも、
母も父も決して姉を嫌っていた訳でも疎んじていたわけでもない事を理解していて。
だからせめて良い娘であろうと頑張っていた。
厳しくされ泣きながら日々を過ごし、
それでも良い成績を収めた時はむっつりとした顔ででも
一応は褒めてくれた親に対して良い息子であろうとした俺とは
別のベクトルで良い子であろうとした姉。
「私に頼っていいのよ?」
それは、姉の口癖でもあった。
両親の為に手伝いをしていて、喜ばれたのだろう姉は
やがて承認欲求の強い子になった。
両親だけでなく、それは他人にも向けられるようになった。
「なにか困ったことがあったら私に言ってね?」
ありがとう。と感謝されることで己の存在意義を見出していた姉。
彼女の一生は、命懸けの人助けで幕を閉じた。
恐らく多くの人に称賛されるであろう行い。
けれどその称賛を受けるべき姉は居なくなって。
本末転倒と言うのか、主客逆転というのか。
そんな姉の事が大好きで。
けれどとても憎かった。
「また、行くのお姉ちゃん」
「うん。私を必要としてくれる人がいるから」
俺が必要とするだけではダメだったのだろうか?
俺が頼って、甘えて、認めて、愛して。それじゃ足りなかったのだろうか?
姉が死んでから、俺は。誰にも甘えることも頼ることもできなくなったのに。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
325Res/104.96 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 雷「もっと私に頼っていいのよ?」提督「ロリ母性にダメにされるぅぅ!」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1459711930/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice