過去ログ - 雷「もっと私に頼っていいのよ?」提督「ロリ母性にダメにされるぅぅ!」
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32: ◆7SHIicilOU[saga]
2016/04/06(水) 05:43:04.81 ID:7jcpw3Gmo

「辛いの?」

 じりじりと失われていく距離。
雷は顔を寄せてそう呟いた。

「な、にを……」

 言葉が出ない。

「ほら、おいで」

 宙を彷徨っていた右腕を、ぐいと引かれる。
つんのめる、前のめる。軽い、感触。

 甘い香り、ミルクの優しい匂い。
自分が雷の胸に抱かれていることに気が付くのに時間がかかった。

「よしよし」

 後頭部を触れる、小さな手。
慈しむように、優しく幾度も撫でられる。
止めてくれ、俺が、今の俺を形作るのにどれだけ苦労してきたと思ってる。

「大丈夫よ司令官……これは、きっと夢なのよ。
 誰も知らない、聞いてない。私だって、ここに来てない。
 だから大丈夫よ、ね?」

 頭を撫でられて、もう片方の手で背中をぽんぽんと叩かれる。

「私は貴方の味方だから。怖くないわ」
「……味方」

 この仕事。敵だの味方だのという言葉は日々に氾濫している。
けれど、子供の頃使っていたそれとは意味は大きく違う。
大人になってからの『味方』、同じ立場というだけのソレ。

「そう、味方」

 けど雷が口にするのはソレじゃない。
自分を庇ってくれる存在、守ってくれる存在。
ただ、ただ、本当の意味での味方。姉を失ってから、居なかったもの。
居ないと、思っていた。



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