6: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2016/04/05(火) 13:21:49.90 ID:lqZk7NNG0
黒井社長が次を注ごうとしたが、もう残っていなかったようだ。
「おい、そっちのを寄越せ」
「それくらいにしておいたらどうだ?」
「ここは私の奢りだ」
「やれやれ、わかったよ」
社長が抱えていた瓶を差し出した。
「『PROJECT CINDERELLA GIRLS』は、私の夢だ。夢と叶える力があれば誰でもシンデレラになれるステージ。全員が真にライバルとして競い合う……その中で、私のアイドルを王者にすることが」
一人話す声に熱がこもる。
「私の望み通り、ありすちゃん、アーニャちゃん、楓ちゃんの、『プロジェクトフェアリー』の頃から常に強敵として在り続けた。そのことに、礼を言おう」
黒井社長が頭を下げた。
「だからこそだ。この十周年は、ドームライブはこれまでの総決算とする。プロジェクトに関った全アイドルを出演させ……ここで、伝説を創り上げる!」
掴んでいたお猪口を机に叩きつけ、続ける。
「我々も、アイドルも、ファンも、この十年でなにを成し遂げてきたのかはっきりとわかるだろう。この先も誇りを抱いて進むために、丁度いい機会だ」
「……さっきの会議ではそんなこと言わなかったじゃないか」
「……言えるか、こんなこと。ああ、費用に関しては問題ない。いざとなればセレブな私がポケットマネーで出してやろうではないか」
「長い付き合いだ。だいたい考えていることはわかっていたが……いやはや……」
社長は呆れたように首を振るが、その顔には笑みが浮かんでいた。
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