10: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:21:55.88 ID:euOV6e0mO
「でも、そうね。魔法なんかじゃないわ」
「ん?」
「プロデューサーのプロデュースがうまくいっているのは、努力と能力がちゃんとあるから。私達をちゃんと見ていてくれるから、でしょ?」
「泉……」
「だから、魔法なんかじゃないわ」
もう一度、今度はよりはっきりした声で繰り返す彼女。
俺を評価してくれていることがバッチリ伝わってきて、喜ばしいことこの上なかった。
「昔、言ってたよな。さくらはかわいい、私とは違うって」
「……うん。言った」
「泉だって、できないことはないんだぞ。さくらと同じくらいかわいらしく、亜子と同じくらいアグレッシブに。きっとできる」
俺がそう言うと、彼女はニコリと笑って。
「そうね、あなたを信じる。……たまには、あの子たちに勝っちゃうのも面白そうだし」
こちらが頼もしくなるような威勢のいい言葉を返してくれるのだった。
「泉の笑顔は、見ているこっちも元気が出るな」
「ふふ、ありがとう。これからもよろしく、プロデューサー」
「ああ、もちろん」
……さて。泉の考え事も解決したし、俺も資料の確認に戻るか。
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