過去ログ - 大石泉「笑顔の性質」
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3: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:12:25.46 ID:euOV6e0mO
「質問、なんだけど」

ちらちらと窓の外へ視線をやりながら、ためらいがちな調子の声でぽつぽつと言葉をしぼり出す泉。
彼女にしてはめずらしい態度だと思っていると。



「……私って、かわいい?」

飛び出した言葉は、さらに彼女にしてはめずらしい、というより初めて聞く代物だった。

「ご、ごめん。今のなしにして。話の切り出し方、間違えたわ」

慌てて首を振り、ほんのり頬を赤く染めている泉。この反応を見ただけで、答えは簡単に決めることができるのだが。

「かわいいぞ」

「っ! き、聞いてない、そんなこと」

「たった今聞いただろう」

「聞いたけど、聞いてない」

ぷい、とそっぽを向いてしまう。頬はさらに熱を帯びているように見えた。
こういう光景は、彼女にしては本当にめずらしい。レアなリアクションだと言える。




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