7: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:17:45.04 ID:euOV6e0mO
「泉の顔は、美人と美少女のちょうど中間くらいなんだよ」
「……中間?」
「年齢的にも、子供から大人に成長していく境目だからな。クールな美しさの中に、幼さとかあどけなさが残っている。だから、笑顔がかわいらしく見えるんだよ」
「ん……なるほど。そう言われてみると……いや、待って」
一瞬納得しかけた泉だが、思い出したようにふるふると首を横に振る。
「おかしいわ。その理由だけじゃ、説明できないことがある」
顎に右手を当てて、考えるポーズをとる彼女。
「説明できないことって?」
「さくらと亜子の言葉よ」
ぴん、と人差し指を立てて、泉は俺の目をじっと見つめる。
「あの子たちは、私の笑顔がキュートに『なった』と言った。それはつまり、以前よりも笑顔がキュートになったということ。ずっと私を見てきた二人がそう言うんだから、きっと明確な変化があったのよ」
「それは、顔の特徴だけじゃ説明できない。と言いたいわけか」
「そう。幼さという点なら、昔の方が残っていたはずだし」
「まあ、そうだろうな。でも俺は答えを簡単に説明できるぞ」
「本当っ?」
俺の言葉に食いついた泉は、椅子から若干腰を浮かしていた。よほど答えが気になるらしい。普段はあまり見せないものの、知的好奇心は旺盛なほうなのだと思う。
……とはいっても、俺の答えなんて簡単すぎて拍子抜けさせてしまうかもしれないが。
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