153:名無しNIPPER[saga]
2016/04/24(日) 23:21:59.85 ID:+7NlXydio
◇
それを予感していたわけじゃないけど、俺は不思議と驚かなかった。
迎えにいく、と連絡があってすぐに、ファミレスの駐車場についたという連絡がるーの携帯に入る。
会計を済ませて店を出ると、店先にはふたりが立っていた。
「おー」と、その人は声をあげた。
「なんだ、それ」
と、彼は言う。
「タクミ、おまえ、背、伸びすぎだろ」
そう言った彼の方も、あの頃よりずっと大きくなっていて、着ている服だって、大人びていた。
それでも、俺の顔を見てうれしそうに笑いながら、ちょっと驚いてみせたその表情は、見覚えがあった。
「……えっと」
「うん?」
ちい姉とるーは、妙な含み笑いをしながら、俺たちの顔を交互に眺めた。
「……遊馬兄?」
名前を呼ぶと、彼は楽しそうに笑った。
「よかった。忘れられてたらどうしようかと思ってたんだよ」
それから彼は笑顔のままで、
「ひさしぶりだな」
と言った。
396Res/275.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。