過去ログ - 屋上に昇って.
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153:名無しNIPPER[saga]
2016/04/24(日) 23:21:59.85 ID:+7NlXydio



 それを予感していたわけじゃないけど、俺は不思議と驚かなかった。

 迎えにいく、と連絡があってすぐに、ファミレスの駐車場についたという連絡がるーの携帯に入る。

 会計を済ませて店を出ると、店先にはふたりが立っていた。

「おー」と、その人は声をあげた。

「なんだ、それ」

 と、彼は言う。

「タクミ、おまえ、背、伸びすぎだろ」

 そう言った彼の方も、あの頃よりずっと大きくなっていて、着ている服だって、大人びていた。
 それでも、俺の顔を見てうれしそうに笑いながら、ちょっと驚いてみせたその表情は、見覚えがあった。

「……えっと」

「うん?」

 ちい姉とるーは、妙な含み笑いをしながら、俺たちの顔を交互に眺めた。

「……遊馬兄?」

 名前を呼ぶと、彼は楽しそうに笑った。

「よかった。忘れられてたらどうしようかと思ってたんだよ」
 
 それから彼は笑顔のままで、

「ひさしぶりだな」

 と言った。



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