2:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:22:31.57 ID:IXgA3K/jo
◇
フェンスのそばには嵯峨野連理が、
屋上の入り口には嘉山孝之が、
その中間、少し斜めに、俺が立っていた。
三角形を作る頂点のように、俺たちはそれぞればらばらに立っている。
嘉山孝之は、俺と嵯峨野の顔を交互に見てから、怪訝そうな顔をして、
「朝から何を話していたんだ?」
そう、訊ねてきた。
「たいしたことじゃないよ」と嵯峨野は言った。
言いながら、彼は、手のひらに持っていた腕時計をポケットの中に忍ばせる。
どうしてそんなことをするのか、俺にはよくわからなかった。
でも、無駄だったらしい。
「連理兄、今、ポケットの中に、何を入れた?」
けっして、近い距離ではないけれど、嘉山はすぐに、それに気付いた。
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