251:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 22:43:56.87 ID:wISiNU0Jo
「確認? ですか?」
「うん」
「何を?」
「まあ、いくつか。よだかのことと、母さんのことと、それから、俺のこと、スクイのこと、猫のこと」
きょとんとした顔で、彼女はこちらを見る。
俺は、うまく説明もできないまま、そっと視線を公園の方に向ける。
不意によぎる記憶がある。
「……」
ここだ。
雨に濡れた場所。
黒猫。
変な形の滑り台の下に、ぽっかり開いた穴に隠れて、俺は何かをやり過ごそうとしていた。
いつだったっけ?
あの猫は、どうなったんだっけ?
猫を捨てた記憶。猫と雨に濡れた記憶。
そのふたつの記憶だけが絡まって、わけがわからない。
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