28:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:37:04.73 ID:IXgA3K/jo
  
  俺はそれからも、そいつとは話さなかった。 
  誰かが俺を嫌うようになったわけじゃない。 
  
  それでも俺は、なんとなく、学校に行くのが怖くなって。 
  
  そうだ、あの夏休みの前。 
  
  俺は学校に行きたくなくて、行かなくて。 
  
  学校も、先生も、みんなも、大人も、怖くて。 
  
  だから母さんは困ってしまって。 
  
  相談を受けた静奈姉のお母さんが言ったんだ。 
  
  息抜きがてら、遊びにおいでって。 
  ちょうど、夏休みだからって。 
  
  きらきらしていた。 
  きらきらしていた? 
  
  本当に? 
  
  記憶はつくりものだ。 
  
  あのときの自分が、どんな気持ちだったかさえ、もう、俺は遠くから眺めることしかできない。 
  
  
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