過去ログ - 屋上に昇って.
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350:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:40:37.39 ID:Fxr7uh8Eo



 バーベキューの翌日には部活があった。
 
 部室に最初にいたのは部長だけで、他のメンバーがそろうまでかなりの時間がかかった。

「みんな、休み明けに部誌出すって覚えてるのかなあ」

 部長はなんとも不満げだった。

「覚えてますよ、たぶん」

「そっかなあ」

「部長は、書いてるんですか?」

「うん。なかなか好調だよ」

 ちょっと前まで、なんだか落ち込んでいるように見えたのに、今の部長は楽しそうに見えた。

「いろいろ考えることもあるけど、わたしはやっぱり、自分が今書いているものが好きだからね」

 彼女はそういって笑う。

「たとえ誰かが望んでるものと違っても、わたしはわたしが書いてるものが好きだから」

 それから彼女は俺の目を見て、

「タクミくんは?」と訊いてきた。

 俺は少し考えてから、答えた。

「書きますよ」

「どんなの?」

「猫の話かな」

「いつもどおりだね」

 いつもどおりだ。




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