356:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:44:16.96 ID:Fxr7uh8Eo
「ここで、何をしてたの?」
そう訊ねると、彼女は困ったような顔をして、手のひらをさしだしてきた。
「これ。……拾ったんです」
彼女の右手にのせられていたのは、ちいさな鍵だった。
俺は思わず笑った。
「……どうして笑うんですか?」
「いや。おもしろいなと思って。きみが拾ったのか」
「この鍵が何の鍵なのか、知ってるんですか?」
「うん。それ、旅する鍵らしいよ」
「……旅?」
「必要としてる人のところに辿り着くんだってさ」
彼女は、わけがわからない、という顔をした。
「いい景色が見れると思うよ」
それ以外に、こさちではない彼女にかけるべき言葉が思いつかなかったので、俺は立ち去ろうとした。
ところを、彼女に呼び止められた。
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