過去ログ - 屋上に昇って.
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378:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:58:18.88 ID:Fxr7uh8Eo

 それがどんなにうれしいか、彼女はわかっているんだろうか。
 たぶん、わかっていないんだろう。

 そんなことを思いながら横顔を見ていたら、彼女は不思議そうに首をかしげる。

「なんでもない」と言いながら、俺は笑う。

「そうですか?」と気にしたふうでもなく、彼女も笑う。

 ある日、帰り道の途中で通り雨に降られて、俺たちは近くのバス停に逃げ込んで雨宿りをした。

「空が明るいから、きっとすぐに晴れるな」

「ですね」

 俺たちは、濡れてしまった髪や制服をタオルで拭いながら、雨があがるのを待った。
 本当に、あっというまに、空は晴れた。




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