76:名無しNIPPER[saga]
2016/04/16(土) 00:54:32.88 ID:5Sr7dpy7o
◇
「やっぱりさ、いぬのおまわりさん、良い曲だとおもうんだよね」
テスト明け、夏休み直前の放課後、文芸部室で持ち込んだギターを爪弾きながら、高森はそう言った。
たっくんはどう思う? なんて、彼女は言う。
「あんまりそういうふうに考えたことはなかったかな」
正直に答えると、そっかあ、と高森はどうでもよさそうな声をあげた。
「ちなみに、どんなところが?」
「いぬのおまわりさんはさ、最後までまいごのこねこを家まで連れていけないんだよ」
「……」
「からすにきいてもすずめにきいても、こねこの家はわからないんだよ」
「……うん。それが?」
「帰る家なんて、ひょっとしたらはじめからないのかもしれないよね」
「どうかな。それで?」
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