過去ログ - モバP「望月聖にプロポーズされた」
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12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/07(木) 07:13:38.05 ID:oDGeh/x8o
熱い吐息が手の甲に吐きかけられる。
潤んだ瞳がこちらに向けられる。

「……大丈夫、です」

なにが、なんのことを言っているのか理解出来ない。

「ずっと、わたしのこと……見てて、くれましたから」

理解、出来ないはずなのに聖の言葉はどこか心の奥底にすとん、と落ちていく。

「きっと……きっと……」

聖の表情が僅かに緩み、口元が笑みを形作る。

「日曜日の夕方……わたしだけの、お客様」

盗み聞きの常連である俺をよくもそこまで持ち上げられるものだ。

「毎週、毎週」

聖は言葉を続ける。

「大人の男の人が日曜日の大事なお休みを何日も、何年も、何年も、わたしのために、くれる。だからこの人はきっと――」

小さく息を吐くと、聖は再び口を開いた。
なぜか俺の心臓の鼓動が少しだけ早くなった気がする。







「――お休みを一緒に過ごす好きな女の人も……仲の良いお友達も居ない可哀想な人なのかなって」

すとん、どころかずどんと鋭いなにかが心の奥底に突き刺さった

俺は泣いた。
こんな穿ったものの見方をする現代っ子の現状に。

別に俺がモテないとか仲の良い友人も居ない寂しい人間であるということに関してではない。

断じて、ないのだ。


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