過去ログ - 光彦「時間を巻き戻す時計ですか」
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2016/04/07(木) 23:39:13.48 ID:yDsIsQIS0
 
  
  
 僕は十八歳で、そのとき米花大近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいた。 
  
 僕はそこで窓越しに行き交う人々をぼんやり眺めながら、時々は広げている文庫本に目を落としたりしていた。そうして日が暮れるとアパートに帰り、食事をして歯を磨いて風呂に入って眠る。朝は早めに起きて少しだけ勉強し、学校へ行ってまたポワロに寄って……。 
  
 そんな風にして、僕は真面目なアルバイトみたいに退屈な毎日を延々繰り返していた。慣れてくると作業の手が速くなるように、一日一日がもっと早く過ぎることばかりを祈っていた。きっと僕はもう生そのものに興味を失いつつあるのだ。 
  
  
 
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2: ◆cfRk7TEu.6[saga]
2016/04/07(木) 23:41:45.22 ID:yDsIsQIS0
  
  
  
 ブラック・コーヒーの残滓までを喉へ流し込むと、梓さんがコーヒー・ポットを手に近づいてきた。僕は会釈して本を閉じた。 
  
3: ◆cfRk7TEu.6[saga]
2016/04/07(木) 23:43:42.75 ID:yDsIsQIS0
  
  
  
 「梓さん」と僕は言った。 
  
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