過去ログ - 小日向美穂「私が死んだ夜、卯月ちゃんは日向のままで」
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130:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 18:24:48.19 ID:r2zuCCc5o
私たちはある日、仕事を口実に学校を休み、

二人だけで遠く離れた町へ気持ちの向くままに旅をしました。

まだ夏の香りが漂っている自然の風景を想像して、

そういう世界にこそ私と卯月ちゃんがずっと思い描いていた夢を

完全な絵にして描き出せるだろうと考えながら……


電車を乗り継いで、思いつくままに駅を降り、

死に場所を求めるように人の居ない道をひらすら歩き、

時折、他愛のない会話を交わしながら、

清々しい初秋の空につい虚しく誘われてしまいそうになる私の心……

そしてそんな心を唯一ここに留めておいてくれる、

卯月ちゃんと繋いでいるその手の柔らかい感覚……

私が今感じている、この切ないような楽しいような気持ちは、

私自身の感動というよりも、卯月ちゃんの感じている気持ちを

その心の繋がりを通してそっくりそのまま私の意識に写し出している

錯覚のようにも思われました。

そうして二人の間に漂い続けている一種の感傷のようなものが

鏡のようにお互いを投映し合うことで、

私たちの心は無限にひとつになっていくような気がしました。


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