過去ログ - 小日向美穂「私が死んだ夜、卯月ちゃんは日向のままで」
1- 20
30:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/13(水) 23:25:47.00 ID:g00Flti6o
それから私は何事もなかったように卯月ちゃんたちと一緒に買い物をしました。

私たちは、普段使えるもので、3人でおそろいになるような可愛い商品を探したのですが、

このお店はどちらかというと色合いの古めかしいシックな小物が多く、

いかにも私たちくらいの年頃の女の子が好きそうな派手な道具はあまり置かれていませんでした。

そこで結局、花模様の刺繍がほどこされた、シンプルな皮のパスケースを買うことにしたのです。

レジに持っていくと、いつの間にか店員さんがいました。

若い女の人でした。

その人は私たちを怪しむようにじろじろと睨みながら無愛想に会計を済ませて、

一言「ありがとうございました」とだけ言って再び店の奥へ隠れてしまいました。


お店を出ると、外は相変わらずの寒さでした。

けれど丁度暖気にのぼせていた私の肌にはかえって心地良いくらいでした。

その後、響子ちゃんの提案でカラオケに行こうという話になり、

3人でまた肩を寄せ合いおしゃべりしながら歩いて行くあいだ、

「変わったお店だったね」と卯月ちゃんがぼそっと呟いた以来、

それきり私たちがその雑貨屋を話題に出すことはありませんでした。……


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
169Res/105.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice