過去ログ - 小日向美穂「私が死んだ夜、卯月ちゃんは日向のままで」
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34:名無しNIPPER[saga]
2016/04/14(木) 21:39:14.58 ID:4IhdFTFpo
蘭子ちゃんとは、同郷のアイドルであり、同じ寮に住んでいるという縁で、

普段から話す機会は少なくありませんでしたが、

例えば2人っきりで面と向かっておしゃべりするような事はこれまで一度もなかったので、

今、こうして改まった様子の彼女と向かい合っていると

私は妙に緊張して落ち着かない気持ちになってしまいます。

「…………今宵はいつにも増して闇の魔力に満ちているわ」

「そ、そうだね」

そこで会話が途切れてしまいました。

私たちはお互いに身動きできないまま、しばらく廊下に立ち往生していました。

蘭子ちゃんはどう会話を切り出したらいいものかと逡巡している様子でした。

……それにしたって、本来なら先輩らしく振舞わなければならない私なのに、

彼女のいじらしいまでに口下手な仕草を前にすると、

急にどう接するのが正しいのか分からなくなってしまう、そんな自分自身を、

まるで赤ん坊をあやすのに慣れていない不器用な男の人みたいに想像して、

つい自嘲の入り混じったおかしな笑いが漏れてしまいます。


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