過去ログ - 男「とある平日、春の夜に」
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 19:08:25.67 ID:SziaXQKR0
たん たん たん たん

男(春の朧月がほのかに照らす夜、一人僕の足が奏でる音)

男(辺りには誰も居ないけれど、それが何だか妙に居心地が良い)

男(「他者」に介入されない、僕の夜)

男(たまには、そんな夜があっても良いんじゃないか)

男(ああ、でも桜がもう散りそうだな)

男(緑が大分混ざってきてる。葉桜に世代交代はもうすぐだろうな)

男「……ん」

男(普通に通り過ぎる所だった。こんな所に……!?)

男「――おぉ……」

男(それは小さな公園だった)

男(遊具はブランコと埋まったタイヤだけ、後は小さなベンチが一つ)

男(しかし、そこには見事な桜が咲き誇っていた)

男「夜桜、か……」

男(ぼろぼろの灯りが、その夜桜をより幻想的なものにしていて)

男「……良いなぁ」

男(きっと、この公園はあまり使われていないだろう)

男(今じゃなければ、誰にも見向きもされないかもしれない)

男(その「今」に巡り合えた事に感謝しなくては)

男(さて、そろそろ出ようかな)

男「バイバイ、また来るよ」


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