過去ログ - 【モバマスSS】双葉杏、王さまになる
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137: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/04/25(月) 18:06:20.82 ID:B71wnz440
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「でさ、向こうの話を聞くときに、親も一緒じゃないとダメらしいんだよね」

「なるほど、それでパパに来てほしいと電話を寄越した、そういうわけだ」

「うん……来れる?」

「あぁ、大丈夫。ちょうど原稿も一区切りついたところだったからな……ところで、杏」

「なに?」

「父さんな、どんな形であれ、お前が働くことに興味を持ってくれて、嬉しいんだよ。子供はやはり、自立して行くものだからな」

「大げさだなぁ……知ってるでしょ? 私が労働とか、そういう面倒なの嫌いなこと」

「勿論。だからお前がそっちに行くのを許可したんだ。一人で暮らしていれば、いずれ否応なしに働かなくちゃあならなくなる。
 学生の間は、精々アルバイトぐらいだと思っていたが――」


「……ちょっと待って。なに? 私が学校を卒業した後に、就職するのは決定なワケ?」

「なにを寝ぼけたことを……まさかお前、いつまでも親に養ってもらえるなんて考えてたわけじゃ、ないだろうな?」

「……えっ?」

「まぁ、パパだって鬼じゃないからな。余った分をちゃんと貯金に回せるように、仕送りだって、多めに送ってあるだろう? 
 無駄遣いせずにキチンと残しておけば、一年二年は働かなくても蓄えでやっていけるとは思うが……杏?」


 しかし、彼女からの返事が返って来ることは無かった。受話器の向こう側から微かに聞こえる「嘘だ……ウソ」と呟く声。
 
 ……どうやらあの子は、卒業後も本気で親の脛を齧り、一生を養って貰うつもりだったらしい。
 大変馬鹿げた考えだったが、この反応の様子だと、どうやら仕送りを貯金する事もしていなかったのだろう。
 
 果たして彼女はこの先、まともな仕事に就くことが出来るのか? 

 「養わないぞ」と言いはしたものの……やはり、彼女の将来は不安でしょうがない。
 願わくば、この機会に考えを改め直し、真面目に将来について考えてくれればいいのだが。
 


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