過去ログ - 大和「ここが・・・私の鎮守府?」【艦これ】
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23:名無しNIPPER[saga]
2016/04/15(金) 23:42:18.59 ID:27t4xVE00
「電!大丈夫!?怪我してない!?」

自分を呼ぶ姉の声が聞こえる。大丈夫、かすり傷さえ負ってない、と返事をする。

「良かった・・・流石電ね・・・私達と違って本当に天才ね!」

今となってはその天才という言葉さえ苦痛に感じる。もし凡才でいたら。もっと早く沈んでいたら。

今ここでこんなボロボロの姉達を見なくて済んだだろう。姉達はここまで酷い目に合わなかっただろう。

前が霞んで見える。もう自分がどうすればいいか分からなかった。

「もう、電ったら泣き虫ね!私達の事は気にしないでいいのよ!私達はあなただけでも生き残ってくれたらそれでいいの!」

必死に慰めようとしてくれている。違う、もう自分は死にたいのだ。3人さえ笑顔ならそれで良かったのだ。

ただ、姉の願いも私の願いも潰えそうとなっている。元々ろくな補給無しで遠くまで出撃したのだ。もう帰る事すら厳しいだろう。昔、帰還できることのない冥王星への旅を題材にした曲を聞いたがまさに今の私達にぴったりだった。

「・・・!敵・・・!囲まれてる!」

自分がぐずついてる間に、敵はそれでもかと殺しにかかってきた。もう索敵すらする余裕も残っていなかった私達を囲むことなど余裕だったのだろう。

「くっ・・・まあまあじゃない!一人前のレディーの敵としては相応しいわね!」

声が震えている。当然だ。私と違ってここまで死と隣り合わせになった事は姉達にとって初体験の出来事だ。

「・・・ゲームオーバーみたいだね、もう逃げ道も燃料も残されてないよ」

「・・・諦めちゃだめよ!電を見てきたでしょ!私達だってなんとかなるわよ!」

「そうよ!レディーは最後まで不屈の魂を持ってるのよ!」

私も姉達に続きたかったが、声が出かかった所で止まった。なにより自分が一番この状況の酷さを知ってるし、今この状況を作り出した張本人がそんな事出来る筈が無かった。

深海棲艦は勝利を確信したようなにやけ顔をしながら近づいて来る。4人の終わりが近づいて来る。鼓動が激しくなる。

どうしようも無いと悟った自分の所に姉がやってきた。そして言い放った言葉は、すぐに理解することは出来なかった。

「諦めちゃダメとは言ったけど・・・ちょっと私達には打開策は思いつかないわ・・・だからこんな時の為に出撃前に話しておいたの・・・電・・・お願い・・・


私達を盾にして逃げるのよ!生きて!」







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