過去ログ - 卯月「嘘つきうーちゃんと炎の司令官」
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◆Nua7OFNO/vuE
[saga]
2016/04/14(木) 23:29:04.94 ID:fgCbAfO70
うーちゃんはお酒を呑んだ隼鷹のようにご機嫌でした。先ほど、全速力で出撃していった第一・第二艦隊とすれ違ったからです。
いつも寝ぼけまなこの加古が、緊張で引き締まった顔をしているのを見た時は、思わず吹き出しそうになりました。
もちろん、その時も今も真面目くさった表情をつくろっていましたが。
もし嘘の電文を打ったことはバレたとしても、『重巡二隻』と『重巡棲姫』を打ち間違えただけだ、と言い訳ができます。
救援に向かった艦隊も、実際には普通の重巡が二隻いるだけの艦隊なので、危なくなることはありません。
とっさの思い付きであるにも関わらず、まさに完璧。うーちゃんは自分のイタズラの才能が恐ろしくて仕方ありません。
いつしか夕日も沈んで、真ん丸のお月様が空に昇っていきます。今のうーちゃんなら、その月までぴょんと跳ねてゆけそうです。
うーちゃんのぽかぽかした想像は、ぞっとするような砲弾の風切り音に切り裂かれました。
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