過去ログ - 二宮飛鳥「さあ――」 -SS速報VIP

過去ログ - 二宮飛鳥「さあ――」

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26: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:22:46.57 ID:KJQi+84PO
「……見る、か」

見ているつもりだった。最近では、間違いなく親と同じくらい会話を重ねて、そのぶん顔や身振り手振りを視界に捉えていたのだから。

でも、本当にボクは『見ていた』のだろうか？

以下略

27: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:25:23.49 ID:KJQi+84PO
――か。あすか。

「………」

以下略

28: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:27:25.88 ID:KJQi+84PO
「こういう抵抗がしたいわけじゃ、ないんだけどな……」

「飛鳥……？」

「ボクはね、プロデューサー。他の誰でもない自分が欲しいんだ」

以下略

29: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:28:57.50 ID:KJQi+84PO
「新たなセカイに憧れながら、同時にボクは怖がっていたんだ。未知の光景、未知の人間に対して、自分をさらけ出すことを」

自分に自信がないんだ。確たる自分を持てないから、ちゃんと向き合えないんだ。

「プロデューサーはきっと、ボクを信じてプロデュースしてくれていたんだろう？」

以下略

30: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:29:54.50 ID:KJQi+84PO
「ボクは……自分だけのセカイに、閉じこもっていた」

あぁ……まったく、すべてに納得がいった。
こんなことで、変われるはずがないじゃないか。変わろうとすらしていなかったのだから。

以下略

31: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:31:31.91 ID:KJQi+84PO
「これ。読んでみてくれ」

突然差し出されたのは、何枚かの紙。
文字がぎっしりと書かれていて……すぐに、それがボク宛ての手紙だと気づいた。

以下略

32: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:32:35.12 ID:KJQi+84PO
「誰かに自分の認識を押し付けること。それはみんなが多かれ少なかれやっていることだ。もちろん、俺だって」

膝を折り曲げて、目線をボクと合わせるプロデューサー。そこには、ボクへの軽蔑なんて微塵も感じられなくて。

「飛鳥はそれに気づけて、しかもこのままじゃいけないって思えている。それはすごいことだし、だから俺は『君ならできる』って信じられる」

以下略

33: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:33:34.39 ID:KJQi+84PO
「………！」

ゆっくり。ゆっくり。
本当にゆっくりと、ボクの右手がそこへ向かって伸びていく。

以下略

34: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:35:00.92 ID:KJQi+84PO
事務所を出て、帰り道を二人で歩く。
月の明かりが、なんとなく暖かく感じられる。そんな気分だった。

「………」

以下略

35: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:36:29.10 ID:KJQi+84PO
あれから幾星霜――とまではいかないけれど、駆け抜けるような日々をいくらか過ごした。

Pの担当アイドルもボク以外にたくさん増えて、忙しい毎日を送っている。なんとかなっているのは、雑用を押しつけられるちひろさんとボクのおかげらしい。

以下略

36: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/16(土) 23:37:17.30 ID:KJQi+84PO
「ボクも今更ながら言わせてもらうけど。凹凸激しいユニットを作ったね、キミも」

「嫌だったか？」

「いいや。彼女らと共鳴しあうことで、また新たなモノも見えてくるだろう」

以下略

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