9: ◆yz988L0kIg[saga]
2016/04/17(日) 22:01:35.03 ID:jEsO6OsCO
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雪美がプロデューサーに爪を切ってもらって以来、彼女は暇を見つけては彼にそうしてもらっていた。
彼女にとって爪は、今となっては彼と一緒に居るための切符のようなものになった。
彼と事務員がひとりずつだけの小さなオフィス。
仕事が早く片付き、少し早いお昼をすませて彼はぼーっと雑誌を読んでいる。
向かいの席では、事務員のちひろが今朝コンビニで買ったプリンを美味しそうに食べていた。
気配を消して近寄ってきた乗客が、不意に彼の方を叩く。
驚いて振り向くと、少女が爪切りを差し出していた。
今日も彼の膝に座るための切符を切る。
パチン
パチン
パチン
慣れた手つきで、軽快に爪を切っていく。
パチン
パチン
「はい終わり」
「ありがとう……………」
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