過去ログ - 藍子「空の時雨」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:23:13.00 ID:IVXEwmof0

高森藍子ちゃんのかわいさにやられて書きました。

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:24:03.97 ID:IVXEwmof0

「好きかなぁ、俺は」

どきり、とした。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:25:11.20 ID:IVXEwmof0

「藍子はどうだ?」

「えっ、あ……えっと……」

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:25:52.92 ID:IVXEwmof0

「違うのか? 俺はさ、雨の音とか結構好きで。リラクゼーション効果?
 聞いてるとなんか落ち着くんだよ。豪雨レベルになると話は別だけど。
 あー、でもテンションは上がるよな、ドシャーっていう音」

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:26:37.66 ID:IVXEwmof0

「あ、あの……ごめんなさい、なんの話でしたっけ?」

タイミングを見計らって口をはさむと、プロデューサーさんは大げさに目をぱちくりとさせて、
じっとこちらを見たかとおもうと、次の瞬間、声を上げて笑い始めた。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:27:05.72 ID:IVXEwmof0

いつもより早い時間に目が覚めた。

なんでだろうとおもいながらもう一度瞼を閉じると、
窓を叩く雨風の音が静かな部屋に響いて、あぁ、このせいなんだと納得。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:28:03.62 ID:IVXEwmof0

雨の日、薄暗い灰色のヴェールに覆われた空を見ると、いつもあの人のことを思い浮かべる。
子供みたいに無邪気な人が雨の日を好きなんて随分おかしいなって、
未だにそうおもって、その度に少し笑ってしまう。

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:35:22.13 ID:IVXEwmof0

時計は目覚ましをセットした一時間も前を指している。

もう一度布団に潜り込んでもすっかり冴えてしまった頭はなかなかいうことを聞かず、ただひたすらに時間が過ぎてしまうだけ。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:36:23.50 ID:IVXEwmof0

時間というものは誰にでも平等に与えられるもので、当たり前だけど毎日同じように過ぎていく。
その間に目指すものの形は少しずつだけど変わっていく。
AからBになれば、たとえそこからAに戻ってもそれは変化。

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:37:02.12 ID:IVXEwmof0

それでも、いや、楽しかったからこそなのかな。
いつの間にか疲れてしまっていて、進む足が止まってしまった。
まだ行けるつもりだったのに、一歩が踏み出せなくて。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:37:40.17 ID:IVXEwmof0

「アイドルを続ける自信がないんです」

元々、私は他の人たちに比べて特別かわいいわけでも、
かっこいいわけでもなくて、
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:38:13.41 ID:IVXEwmof0

「わかった」

短くて、残酷な言葉。

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:38:40.48 ID:IVXEwmof0

ぐずぐずと泣いている私。

目の前にいる人がぼやけてしまうほど。

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:39:23.47 ID:IVXEwmof0

すぐそこにいるプロデューサーさんの顔が見られない。

目線を上げられない。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:39:55.53 ID:IVXEwmof0

「俺は藍子の気持ちを尊重するよ。理由とかそういうのは、別にいい」

いつもよりずっと優しい音が胸の奥に響く。

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:40:25.96 ID:IVXEwmof0

「ひとつだけ俺のわがままを聞いてほしい」

もうなにか考えられる状況じゃなくて、その問いにただひとつうなずくしかできなかった。

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:41:04.03 ID:IVXEwmof0

「CDが出たときだってこんなに泣かなかったのにな」

見えなくたって、あなたがどんな顔をしているのか、わかってしまう。

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:41:31.98 ID:IVXEwmof0

さっきより雨足は弱まってきたみたい。

それでも天気予報のマークは傘のまま。

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:41:58.06 ID:IVXEwmof0

プロデューサーさんが私の名前を呼ぶ。

それはいつもよりゆっくりに、まるでスローモーションみたいに感じた。



20:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:42:29.57 ID:IVXEwmof0

あぁ、この雨の正体は、私の声だったんだ。

鳴り止んでわかった、近くで聞こえていたから気づかなかったんだ。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 01:42:55.38 ID:IVXEwmof0

いつもの時間になると、無機質な着信音が静かな朝の部屋に鳴り響く。

確認しなくたってわかる。
きっとあの人からのメール。
以下略



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