過去ログ - 八幡「別にいらねねぇよ、本物なんて」
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名無しNIPPER
2016/04/25(月) 16:52:35.81 ID:iNB8TwTVO
艱難辛苦の末、ようやく五十回目の苦労を乗り越えた戸塚は、そのまま仰向けに倒れこんでしまった。
戸塚「ふぅ、出来た。見ててくれた?比企谷くん」
八幡「おう、よく頑張ったな」
まるで少女のように、というか見たまんまなのだが、無邪気な笑顔を戸塚は俺に見せる。
雪ノ下「少し休んだら次はランニング、校舎の周りを5周でそれなりの体力が付くはずよ」
戸塚「うん、わかったよ」
よろめきながら立ち上がる彼の姿は、さながら産まれたての小鹿のようだ。本人がやるというのなら俺が止める義理は全くないのだが、それでも見ててなんだか痛々しい。そんなハードなトレーニングをかれこれ二時間超続けたところで、ようやく雪ノ下が手を叩いた。
雪ノ下「今日はこのくらいにしましょう。明日は先生方に許可を貰ったから、昼休みにもこのコートが使えるわ」
戸塚「本当に?ありがとう、雪ノ下さん」
戸塚、お前は本当にそれでいいのか?
由比ヶ浜「さいちゃん、大丈夫?」
由比ヶ浜が戸塚の体を支えて歩く。二人がフェンスの向こう側に消えていくのを見送ってから、俺は雪ノ下に問いかけた。
八幡「なぁ、あのペースでやってたら壊れちまうぞ」
雪ノ下は、俯いたまま口を開かない。
八幡「選手を壊しちまったら、元も子もないと思うけどな」
そう言うと、しばらく雪ノ下俺を睨みつけたが、何かに観念したように深くため息を吐いた。
雪ノ下「私、体力だけには自信がないの」
八幡「……だから?」
雪ノ下「体力の付け方がわからないから、どうのくらいの加減がいいのかもわからないのよ。けれど、今日の戸塚君を見たところ、私は成功しているとは言えないわ」
驚いた。こいつは自分の非を素直に認めることができるようだ。
八幡「……じゃあ手伝うよ。仮入部とはいえ、今は部員だからな」
頭を抑える仕草を解いて、雪ノ下は目を見開く。
八幡「その情けない顔、止めたらどうだ?」
どこかで聞いたようなセリフを吐くと、雪ノ下はきっと俺があの時彼女に見せていたであろう悔しそうな表情を、俺に見せた。
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