2: ◆kbUNpGyKq6
2016/04/23(土) 23:43:00.09 ID:7hYW2Gbh0
折角早くに目が覚めたのだからと朝風呂に行くことにした。
「いやぁ、朝風呂なんて久しぶりです」
スリッパをパタパタと鳴らしながら静まり返った廊下を歩いていると、隣のプロデューサーがしみじみと言った様子で口を開いた。
「あら意外ですね、お仕事で遠くに行くことも多いですし、機会はいくらでもありそうですけど」
「最近は大体朝早い便で帰ってきてしまいますからね。ありがたいことに、楓さんをはじめ皆の仕事が増えてきましたし、やれることをやれるうちにやっておきたいですから」
「そう、ですか」
この人にプロデュースされるようになって一年が経とうとしている。その間、プロデューサーのことはそれなりに分かってきているつもりだったが、どんなに時が経ってもこの真面目さは変わらない。
そして......。
「楓さん、楓さん」
「え?」
気が付くとそこは既に大浴場の入り口前だった。それも男湯の。
「流石にこれ以上はご一緒出来ませんよ」
「そ、そうですね」
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