15: ◆yz988L0kIg[saga]
2016/04/27(水) 20:39:14.34 ID:WVOD8aOHO
それから、僕と雪美ちゃんはずっと一緒に居た。
彼女が学校というものへ行っている昼間は相変わらずふらふらとで出掛けていたが、彼女が戻ってくるころには必ず家にいるようにした。
それは、彼女に望まれたことでもなく彼女が帰る頃に自然と戻りたくなるからなのだ。
家ではいつも雪美ちゃんは僕と一緒に居た。
一緒に御飯を食べ、一緒にお風呂に入り、一緒の布団で寝た。
昼間に散歩していた時に出会った猫がこんなことをいっていた。
雪美ちゃんみたいな子どもが僕らと暮らすには家族の許しが必要らしい。
そういえば雪美ちゃんの家族を僕は見たことがない。
あの電話という黒い箱の中に雪美ちゃんが話しかけているけれどあそこにいるのだろうか。
それでも僕が追い出されていないということは許しをもらったのだろうか。
もし許されていないなら僕は……。
そうだ、今日こそは喋りかけてみよう。
陽の光をたっぷり浴びて暖かくなった絨毯でくるまりながら決意した。
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