4: ◆yz988L0kIg[saga]
2016/04/25(月) 02:16:19.78 ID:1LusWY94O
「………………」
彼女はしゃがみこんで僕を見つめる。
「あなた……サンタさんに……お願いして……来てくれた……?」
彼女の声が聞こえた。
雪解けの水のように澄んだ綺麗な声だった。
何を言っているかはわからなかったが、その綺麗な声に僕は魅入られてしまった。
「外……寒い………おいで…………」
白い手が、僕の白を払う。
まるで引き寄せられるかのように僕は家の中に入っていく。
彼女の小さな身体に対しては不釣り合いなほどの大きな部屋。
暖かそうな暖炉とフカフカの赤い絨毯。
まるで夢の様な世界がそこにはいっぱいに広がっていた。
彼女はふかふかしたソファに座り、手招きをしていた。
その手には彼女の瞳と同じ紅い首輪。
魔性の紅に魅せられて、僕はまるでそこに居場所があるかのような気がして一歩ずつ彼女へ近づく。
赤い絨毯を強く蹴って、彼女の膝の上に飛び込む。
絨毯より柔らかくて、でもそれよりもふかふかして暖かかった。
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