8: ◆yz988L0kIg[saga]
2016/04/25(月) 02:20:10.65 ID:1LusWY94O
「私……雪美……あなたは…………?」
僕は……?
名前を聞かれているようだが僕には名前がない。
「名前……ない……?」
そうだ、野良猫は名乗らない。
「わかった………考える……。……時間……欲しい…………」
名前だなんてなんだか飼猫みたいだ。
そう思うとなんだか安心感が湧いてきて、僕は雪美と名乗った少女の手に身体を預けた。
「ふふっ……可愛い……」
暖かい手が僕の身体を包み込むように撫でる。
暖炉に照らされて仄かに光を反射した白い指が暖かい雪のように僕に降り注ぐ。
いたずらに、彼女の細い指を舐める。
びっくりした彼女は、ぴくりと少しはねた。
それから彼女は、少し笑って今度は僕の前足を握った。
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