過去ログ - 【モバミリクロス】 双葉杏は、お姫さまになる
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14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/04/26(火) 20:30:48.98 ID:tWX+l71Z0

 ふむ。さっきは突然何を言い出したのかと思ったけれど、これは中々悪くない話である……けど。
 
「あのさ、後でやっぱりこの話は無しでしたとか、そういう事は言わないよね?」

「もちろん! 約束を破るつもりなんてないし、お前さんの話を『聞くだけ』なんて寒い冗談だって言わないと、
 ここに誓おうじゃない。それはほら、ここで俺たちの話を聞いてる桃子が証人だ」

「ちょっとおじさん、桃子をこんなくだらない取引に巻き込まないでよ」

「まぁまぁそう言わずにさぁ……なんなら桃子も一緒にシール、集めてみる?」

「だから、桃子が言いたいのは……!」


 でも、彼女は何かを言いかけた口を途中で閉じて。

 
「……やっぱり、今のは忘れていいよ。確かにこの子の体力の無さは問題だし。
 桃子は、足さえ引っ張られなくなるなら、どんな方法だろうと口は挟まないから」

 一体、何を言いたかったのか。
 それっきり黙り込んでしまった桃子の姿を私から隠すように、プロデューサーが私たちの間へと移動する。
 
「それじゃ、早速今日から始めましょー。ほら、ハキハキ起き上がってレッスン室に行った行った!」

「わ、分かってるよ! それに、一人で起き上がれるからっ!」


 私をソファーの上から引きずり起こそうとするプロデューサーの手を払いのけると、私はそのまま部屋を出て。
 
 なんだか良いように言いくるめられた気がしないでもないけど、見返りも大きいし、
 ここは一つ、プロデューサーの口車に乗せられておくのも、悪くないかな……
 
 なんて、頭の中では早くもシールを集め終わり、どんなお願いをしようかなどと考えていたのである。
 まったく、後の事を考えると、この時の私は阿呆そのものであったのだ。


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