過去ログ - 探偵助手の僕が退魔師と組んだら -SS速報VIP

過去ログ - 探偵助手の僕が退魔師と組んだら

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64: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 19:54:52.68 ID:Jw3Ub7k7o

　式の時間が近づき、椅子も埋まっていく。
　近くの女子の集団からひそひそ声が聞こえてきた。
　ひそひそしてる割にはテンションが高く、抑える気はあまりなさそうだ。

以下略

65: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 19:57:09.35 ID:Jw3Ub7k7o

「あれはあれでかわいそうに見えるな。忍は珍獣かっつーの」
「そうだね」

　葉月の溜息の重さは、好奇の視線に晒され続けた者の持つ重さだった。

以下略

66: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 19:58:10.69 ID:Jw3Ub7k7o
　式の後各種ガイダンスがあり、各教室のゆるい緊張感の中で自己紹介を済ませ（葉月も無事にクリアした）、特に授業もなく書類を提出して下校した。
　さすがにマーケットのあった駅前通りを歩くときはじっとり嫌な汗をかいたけど、夕方前に帰れるのはなかなかいいものだ。

「俺、今日はもう外出しないから大丈夫だよ。ありがとう」

以下略

67: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 19:58:58.63 ID:Jw3Ub7k7o
「おう。じゃーな」

　なかなか濃いキャラをしてるこの二人ともうまくやっていけそうだし、犯人逮捕までは気が抜けないけど、僕は学府で順調に生活できそうだ。

　――が、去り際の挨拶が引っかかる。

以下略

68: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 19:59:48.92 ID:Jw3Ub7k7o

　風呂で考えた。

　桃花ちゃんは「あわよくば」だけど、須藤さんとは連絡先を交換しておけばよかったと思う。
　須藤さんはおそらく被害者かつ生存者だ。

以下略

69: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:00:31.74 ID:Jw3Ub7k7o
　そこまで考えて、薬品棚のような大きな冷蔵庫の中、何かの薬液に満ちたビンに密閉されて並んだ眼球のイメージが浮かんだ。

　須藤さんは眼帯をしていた。
　彼女は目を傷つけられたけど生きている。
　犯人の目的は眼球なのか殺人なのか。

以下略

70: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:01:36.47 ID:Jw3Ub7k7o
　僕は犯人らしき男の顔を見た。
　犯人だと断定しないのは、やっぱり葉月をつけていたあいつが他の変質者である可能性は捨てきれないからだ。
　その場合はこの市内にいる物騒な人間が一人増えることになる。

　葉月は囮になるため、金のカラーコンタクトを入れていたけどそれでいきなり本命がひっかかるのも簡単すぎる。

以下略

71: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:02:14.22 ID:Jw3Ub7k7o
　やっぱり須藤さんが危ないと思う。

　犯人がなぜ須藤さんに目をつけたのかわからないけど、犯人は命と両目を奪うことに失敗している。
　須藤さんを再度襲う可能性はある。

以下略

72: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:02:56.02 ID:Jw3Ub7k7o

　タオルで頭をガシガシ拭きながらリビングに行くと成田姉弟がいた。
　リビングにいてボスと食卓を囲んでた。
　葉月なんか、炊飯器からごはんをよそってボスに渡してた。

以下略

73: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:04:03.12 ID:Jw3Ub7k7o
「うーん……うーん……」
「毎朝毎晩うちに寄ってもらうのも手間だろうが。長月はお前と相部屋な。葉月は客間でいいだろう」

　マリアが使っていた部屋を、とは言えないみたいだ。

以下略

74: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2016/05/09(月) 20:04:57.24 ID:Jw3Ub7k7o

　長月は風呂に入った。
　葉月と並んで皿を洗う。
　葉月、洗う人。
　僕、拭く人人。

以下略

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